「目に見える世界は幻想か?」を読む

土 旧暦 3月5日 先勝 戊午 七赤金星 Harald Hervor V13 24889 日目

東京の本屋さんで偶然見かけた「目に見える世界は幻想か?」といふ本(光文社新書、松原隆彦著)を読んだ。数式・図表なしの物理の入門書で、物理学はどの様に発展したかがよくわかった。文章が読みやすい。文章だけで物理学を説明した点で、誠にユニークで良い本だと思ふ。物理学は万物の物質的原因を統一された一つの理論で説明しようとする試みをいふのかもしれない。人類の歴史の中でエポックとなる大発見が一つづつ進むにつれて、なるほどと感心させられるが、本来、単純であって欲しい自然の姿は、深く知ろうとすればするほど、複雑な理論に絡められていく様にも感じられる。物理学を本当に理解するには数式を使はなければならないのかもしれないが、僕にはこの本の様に言葉で説明してくれる本の方がありがたい。