水泳の思ひ出

日 旧暦 6月28日 先負 甲寅 四緑木星 Helena Elin V30 24634 日目

歌人水原紫苑氏が昨日の日本経済新聞夕刊「あすへの話題」で、ご自身の水泳の不得手なご様子を書かれてゐた。これを読んだ時、僕は自分にも思ひ当たるフシがあって、共感できる部分が多かった。

実は私も40歳までは泳げなかったのだ。

小さい頃はお風呂が嫌ひであった。特に髪を洗ふ時にザブッとお湯をかけられる、それだけのことが、何とも苦手で怖かったのである。それで、必然的に泳ぎの出来ない子になった。高校時代には全員が最低でも25メートル泳げる様にすることとハッパをかけられた様な記憶があるが、僕は実現できないまま適当に逃れたのだと思ふ。そんな僕が泳げる様になったのは38歳でスウェーデンに渡ってから後のことであった。その町のプールが空いてゐて、誰にも見られない環境が幸ひしたかもしれない。泳ごうとせずに、水の中でゆっくり手足の円運動だけを繰り返してゐたら、そのうちに前にも進む様になって、いつからか25メートルを泳ぐのは何でもなくなった。その時はものすごい進歩の喜びを感じた。ただ、今でもクロールは出来ない。クロールの方がダイナミックで格好良いのだが、健康増進のための水泳なので、平泳ぎだけで十分と感じてゐる。30分ほど泳ぎを続けた後は全身が軽く感じられて気持ちが良い。そのうちにまた水泳を再開したい。