多磨霊園

火 旧暦 2月14日 先負 癸卯 一白水星 Kennet Kent V12 24503 日目

アベノミクスによって日本経済は果たしてデフレから脱却したのかどうか僕には分からない。だが、久しぶりに東京に来てみると確実に物価が上昇してゐると感じられる点が少なくとも一つある。それは都内ホテルの宿泊料金が高めに推移してゐる事である。一般市民の生活感覚からすると必ずしも成長の恩恵にあずかった様子はないのに、なぜ宿泊設備だけは供給不足になるのか。状況はまるで90年代のバブル再来を思はせる様でもある。この疑問に対する答へは街を歩いてみればすぐに分かる。銀座でも新宿でも渋谷でも街のいたるところに外国人観光客がひしめいてゐる。彼らが宿泊料金をじわっと押し上げてゐるのだ。爆買ひによるデパートの売上なども日本経済に寄与してゐると聞く。だが、これらは賃上げの効果が巡り巡って一般市民の消費を活発にしたのとは状況が違ふと思ふ。それでも、テロや暴力やジカ熱などの横行しがちな現代世界の中で、日本ほど安全で清潔で自由で消費者天国で居心地の良い国はあまり多くない様に見受けられる。それらを提供できる国であることはもうそれだけで一つの達成を示してゐるから、あまり悲観的になることもあるまいと思ふ。今日は同居人とそのお姉さま夫妻と四人で多磨霊園へ行って、同居人の両親・兄の墓参を済ませた。