エレベーターの行き先ボタンに手が届かない時

水 旧暦 4月3日 赤口 丙申 九紫火星 Karolina Carola V21 24208日目

渋谷のあるビルでエレベーターに乗った時、行き先ボタンのすぐ前に女の人が立ってゐた。その背後に立って僕がボタンに手を伸ばさうとすると、その人の前にニューッと手を出す事になり、失礼な気がしたので、その人に丁度聞こえる程度の大きさの声で「5階のボタンを押してくださいませんか」と頼んだ。女の人は聞こえたのか聞こえないのかわからないが、後ろ姿の姿勢を全く変えずに何もしなかった。僕の後に入って来た男の人が一呼吸おいてから、手を伸ばして自分の行き先階と5階のボタンとを押してくれた。そして小さく僕に目で合図をしてくれた。僕もありがたうございますと小さい声で返事をした。ドアのすぐそばに立ってゐた女の人は心を病んでゐるのではないかと、その後少し気になった。それとも無言のままスマホで情報をやり取りする世代には見知らぬ人とのやり取りはタブーなのだらうか。