啓蟄

日 旧暦 1月18日 赤口 癸未 八白土星 Siv 3 i fastan internationella kvinnodagen V10 24134日目

暦を見なくても、外に出てみれば、ああ、これは啓蟄だなと実感できるくらゐ、今日は陽気が暖かであった(暦では二日前)。実際に虫が這ひ出たところを見た訳ではないが、出てきても少しもをかしくない、納得できる陽気であった。風はやや強かったけれども、何日か前に気づいた春とは全く違った春を感じた。同居人は三日連続で午後からの仕事に出て行った。夕闇迫る頃にひとりで散歩した。「春のものとてながめくらしつ」。在原業平ほど優雅な味はひはできないが、目に入る風景は確かに「春のもの」である感じがした。業平の春のうたと言へば、『月やあらぬ」も有名であるが、東日本大震災を体験してからといふものは、3月に見る月は僕にはどこか哀しい光を湛へて見える様になってしまった。もうあれから4年が過ぎようとしてゐる。被災された人たちの悲しみは時の流れでは癒されないかもしれない。

堪へ難き 空腹ひとつ 春の月