ヒッグス粒子にノーベル賞

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日本経済新聞の「私の履歴書」は利根川博士の番である。オリンピックの時期には君原選手が登場したり、ノーベル賞発表の時期には利根川博士が登場したり、新聞を編集する人もその時期にふさわしい執筆者が来るように工夫しているようである。さてそのノーベル賞であるが、今日、物理学賞の発表があって、最近話題になっているヒッグス粒子の名付け親なのでしょうか、ヒッグス博士らに受賞が決まった。ある程度、予想された受賞であったかもしれない。高邁な物理学のことなど全く分からないが、何か物理学と言うものが最近は哲学的な深遠な対象から実験的な検証を求める対象に移っているような気がする。湯川博士が中間子の理論で受賞したのが1949年、それから実に64年が経過しているが、その間の素粒子物理学の進歩は僕ら素人から見ると緩やかであったのではないかと思われる。この世に作用するいくつかの種類の力が統一されるというような話を聞いてから久しい。ついに物理学の理論体系は最終段階を迎えたと言うような解説も繰り返し良く聞くが、僕にはよくわからない。それに比べれば、生物学などは同じ64年の間に長足の進歩を遂げたのではないだろうか。若い頃、ハイゼンベルグの「現代物理学の思想」を読んでその哲学的な背景に憧れた。現代のヒッグス粒子の背景にも似たような思想があるのに違いないが、よほど勉強しないとそれは分からないのだろう。物理学の真理の探求に終着駅など無いのではないだろうか。まだまだあっと驚くような発見が残されているのではないだろうか。若い人たちには頑張って欲しいと思う。