ハーグ条約

金 旧暦 1月2日 友引 庚寅 九紫火星 立春 Ansgar, Anselm V5 22639日目

よその国々から「ハーグ条約」への加盟を求められている。国際結婚した夫婦が離婚して、日本人の親が相手に無断で子供を日本に連れ帰ることでトラブルになる場合があるという。日本が「ハーグ条約」に加盟すると、連れ去られた時の子供の住所へ返さなければならないことになる。だが、子供にとっての幸せは何かを思う時、こういう条約に加盟することが果たして良いのかどうかは難しい問題である。こういうことは規則で決めるのではなくて個別に扱わなければ問題の解決が得られない気がする。日本人から見た親子の情の感じ方と、外国人から見た親子の情の感じ方とは随分違う場合もある。アメリカのキャンベル次官補は条約締結に向けて日本政府の対応の遅れを非難したが、それが必ず良い結果を生むかどうかわからないことに対して判断を急げと言っても無理な注文である。そもそも、親子の情というものは、最も自然な人間の感情である。日本人が古来大切にして来た「もののあはれ」もそういう感情の中から生まれてくるものである。そこへ親の利益に基づく人為的な法律や条約を持ち込もうとすること自体、「ハーグ条約」は非自然的であり、少なくとも文明国と文明国の間に交わされるべき条約ではない。そういう意味では僕は「ハーグ条約」の存在自体に反対である。それは国家が介入すべき問題ではなく、個人レベルで個別に扱われるべき問題である。それにしても、人々は何故こうも簡単に離婚するのだろうか。そういうことへの反省の方がよほど大事では無いか。相手に惹かれるよりも、子供が欲しいと言う理由だけで結婚してしまう人があるのではないだろうか。男の直感でそう思うだけであるけれども、もしそうであるとすれば、それもまた問題であると思う。