大雪

月 旧暦 12月28日 先負 丙戌 五黄土星 Ivar, Joar V5 22635日目

未明に布団の中でひとつ雷を聞いた。起きてみると1メートルを超える積雪である。旅館を出て仕事場まで歩き始めたが、歩道はもはや歩くことのできない部分が多い。ひどいところでは、どうかすると腿のあたりまでずるずると雪の中に埋もれるので前進できない。危険だが車道の脇を歩く。目の不自由な人はこんな日はまず外出不能である。歩き始めた僕もよほど今日は旅館にとどまろうかと思ったが、何とか歩いて仕事場まで行った。1時間近くかかった。北陸本線は終日全面不通である。路面電車のレールも雪に埋もれている。雪を除けるにも、もはや除けた雪の置き場が無い。山をなした雪が駐車場から出そびれた車をすっぽりと包み込んでいる。うどん屋の前に並ぶ幟の、「うどん」の部分が埋もれたので、「天ぷら」の文字しか見えない。帰りは大通りの横断歩道まで来た時バスが通り過ぎた。次のバスはいつ来るだろうと歩いているうちにそのバスを追い越したので、次の停留所から乗った。こんな大雪は久しぶりである。心配であるのは実家が雪でつぶれてしまうかもしれないことだ。でも仕事を休むこともできないし、家まで行くこともできない。それに、こんな時節はどこも人手不足であるから、空家の屋根の雪かきを優先して頼むわけにもいかず、もはやなるに任せるしかない。

雨男 寒き夕べは 雪男