異国で見る日本映画

木 旧暦 6月2日 先勝 己巳 四緑木星 大暑  Emma V30 22072日目

ストックホルムの映画館で日本映画をやっている。もともと今週は休みをいただいてあったので、同居人と出かけた。夏休みで移動する人が多いのだろうか、高速道路はいつになく混んでいた。途中、大きな橋が空に向かって跳ね上がって、その下を船が行き交う場所に遭遇した。その間5分か10分であるが、大動脈が遮断されて道路にはたちまち長い車の列が出来る。そんなこともあって時間がかかったが、映画館にはちょうど良い時間についた。小さな劇場で、席は7列ほどしかない。ゆったりと広く座ることが出来てなかなか雰囲気が良かった。家でDVDを見るのとは違って、やはり映画を見るなら映画館でと改めて思った。映画のタイトルは”歩いても歩いても”。英語で "Still walking" とあった。助詞 ”も” が訳にいかされて無い気がして違和感があるが、それを説明した訳にすると長いタイトルになってしまうのであろう。日本語は便利な言葉である。石田あゆみの往年のヒット曲の歌詞も連想したが、果たして映画の中にその曲が登場して、暗示的に映画のタイトルになっている。現代日本のどこにでもあるような平凡な物語であるが、時代の移り変わりと、それぞれの世代、それぞれの家族がかかえる問題点や考え方のすれ違いなどが、昔風の日本の家を舞台に展開して、良い映画であるなと思った。意図的なお芝居というよりも普通の暮らしがそのまま自然に出ているところが良いのである。異国の地で日本映画を見るのも面白かった。字幕はスウェーデン語。字幕では訳し切れない日本人の考え方などあるかもしれないと思ったが、こういう映画の方が旅行案内書より日本の紹介になるという気がした。