電話でのお問い合わせ

火 旧暦7月19日 先勝 辛卯 三碧木星 Magnus Måns V34 21740日目

スウェーデンは電話社会である。僕のような外国人が一番困るのがこの電話をかける時である。面と向かって話をすれば、何となく通じることでも、受話器を通した音声信号だけでは難しいことが多い。例えば今日、電話会社に聞きたいことがあって電話をかけた。相手の肉声が聞こえてくれば交渉の余地があってまだ助かるのであるが、自動生成音声が流れてくる。それも、何が聞きたいのかとにかくしゃべれと言うのである。それでちょっと気後れして、もぞもぞと何か話すと、自動音声は「何?君の言ってること良く分からないよ。はっきり言いなさい。」と応対してくる。「ふざけんなこの野郎、俺のスウェーデン語が分からないと言うのか」という気になって、気を取り直して、聞きたい用件をしゃべると、「うん、分かった。それでは君の電話番号を教えてよ」と自動音声信号が言う。それで、「大丈夫かな」と思いつつ自分の電話番号を読み上げると、さすがに復唱してきて、「これで良いかい」と聞いてくる。何だか機械にスウェーデン語の発音と聞き取りのテストをされて遊ばれている感じである。そういうやりとりのプロセスをいくつか経た末に、ようやく、「君の質問に回答できそうな部署にまわしてあげるね」ということになるのであるが、すぐに順番待ち情報に切り替わる。「あなたは順番待ちの100番目で推定待ち時間は20分です」とか自動音声信号がしゃあしゃあと言う。やれやれ。その間、他の事をするわけにもいかないから、受話器を上げたままで、順番待ちをする。ようやく自分の番が来て、担当者への呼び出し音に変わった。いいぞいいぞ、と思って話しかけると、いくら声をかけても相手はうんともすんとも言わない無声音状態に入った。嫌な予感がしたのであるが、果たしてしばらく待つと、突然、電話が一方的に切れた。また、初めからやり直しである。するとまた20分待ちである。結局今日はもういいやと思って諦めた。電話会社は町にお店があるから、そこへ行って聞けば良いと思うのであるが、行ってみても色々な質問に答えられるスタッフが揃っていない。結局、「そういうことは電話で聞いてください」ということになってしまう。メールで聞くという手もあるが、これもうまく行かない。製品を新しく購入したい、という場合には、メールを書くとすぐに返事が来る。けれども技術的サポートなどでは、時期にもよるのかも知れないが、メールを受け付けてさえくれない。メールでの問い合わせは応対する人がひとりで何通も処理しなければならず、大変である。これに対し、電話での対応も大変ではあるが、彼らは営業時間内だけ働いて、客が多かろうが、みんな電話の向こうで待たせておけば良い。結局きっとこっちの方がラクチンなのである。スウェーデンでは電話ができないと日常生活で困る場合がある。