成田空港へ

火 旧暦 3月15日 大安 戊辰 八白土星 満月 Ulf Ylva V15 24899 日目

散りてなほ 水面にみひら 花の夢

花びらは水に散ってからさへも美しいものだと僕らは単純に思ひがちだが、昨日一緒に散歩した人の話によると、お堀などに大量に散り浮いた花びらは、人手をかけて回収しなければ、やがてヘドロの様になって大変なさうである。今日の東京は冷たい雨が降って、光のどけき春の日からはほど遠いお天気であったけれども、この雨に昨日の花はもう散り始めたかもしれない。帰る前にあれこれと点検して、買ひ忘れたちょっとしたものを求めて、僕はひとりでほんの短い時間、銀座へ出た。山野楽器の前あたりか、地下鉄に下りる階段の入り口で一人の女性が大きなスーツケースを抱へて難儀してゐたので、声をかけて持って一緒に下りた。どこの国の人かわからなかったがお年を召した方の様であった。別れ際になんとも言へない微笑みで僕の一瞬の行為に報いてくれた。ホテルに戻ってから、午後の早い時間にバスで成田空港に移動した。持ち帰る荷物の再整理、明日は同居人と一緒にスウェーデンに帰る。