小中学生に携帯電話は要らない

金 旧暦  11月 22日 友引 癸巳 七赤金星 Isak V51 21864日目

携帯電話を小中学校へ持ち込んではいけない、という文部科学省の方針に僕は大賛成である。携帯電話だけでなく、電子計算機の使用も全面禁止してもらいたい。我々大人でもメールやインターネットがあるためにどれだけふだんの暮らしが落ち着かないものになっているか計り知れない。人生の一番大事なことをじっくり考えてしっかりした判断力を養わなければならない少年期にIT機器は百害あって一利なしと言っても過言ではない。子供の時に何かを堪えるとか我慢するということも大事な過程である。僕らの子供の頃は、大人になるとあんなことも出来ていいな、早く大人になりたいな、と思うことがよくあった。それもひとつの大事な修養の過程である。子供の時から我慢することが無ければ人間の欲望は際限なく増長して反省することも無くなってしまう。今の子供は最初から大人と同じ暮らしをするものだから、変に大人びたことを言う子供が増えている。人はこの世に生れ落ちてから一人前に育つまでに、20年近くを要するものである。どんなに世の中がスピード時代になっても、生物として心身の成長に必要なこの時期を短縮させることはできない。そこに介在する現代の速度とのギャップが子供の成長に負担になっていて、携帯電話などはその負担をさらに大きくするものである。中学校卒業までは電子計算機も要らない。ピアノの練習であるなら、幼少の頃から練習することも大事であろうが、電子計算機のキーボードを叩くのに弱いタッチで叩こうがフォルテで叩こうが、Sを叩けば画面にはSが返ってくるだけの話である。幼少の頃から練習する必要はさらに無い。電子計算機に向かう中高年が、私も若ければこんなこと出来たはずなのに、と思うことがあるらしいが、それはただの錯覚で、その人は若くても今と変わらないくらいのレベルであったに相違なく、それを年のせいにして慰めようとしているだけのことである。携帯電話と電子計算機とは高校を卒業してから使い始めても決して遅くは無いと僕は思っている。