一人称・二人称・三人称

土 旧暦 11 月 20 日 赤口 戊戌 八白土星  Trettondedag jul Kasper Melker Baltsar V01 25169 日目

この頃はきちんと自分を自己主張できる日本人も増えた様に思はれるが、それでも日本人は自己主張をする人より協調性のある人を好む傾向があると思ふ。これは日本語の性質に由来するのかもしれない。英語などの外国語には一人称、二人称、三人称がある。私かあなたかそれ以外のものかといふ三つから主語を選び、しかもどの人称であるかによって動詞までが変化したりする。ちなみにスウェーデン語にも一人称、二人称、三人称があるが、対応する動詞に三単現の s などはないので、その辺は日本人として親しみやすい気がする。小さい頃から一人称、二人称、三人称を意識して言葉を使ふ様になれば、自然に自己といふものをハッキリさせる癖がつくのではないかと思ふ。日本語の場合は、自分に近いものを「こ」で表し、遠いものを「あ」で表す。自分と相手に共通してわかってゐるものは「そ」で表す。分からないものは「ど」で表す。自分に近い人と自分との間に明快な境界がないかもしれない。それで、近所のおばさんが小さい子に向かって「ボク、何してるの?」と問ひかけたりすることがある。外国語ではその様な人称の混用は起こらないと思ふ。日本語のその様な傾向は、良くも悪くも人格の形成に影響を及ぼすのかもしれない。