アインシュタインの平和の心

2023-03-14 (火)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 23 日>(赤口 辛未 五黄土星) Matilda Maud 第 11 週 第 27062 日

 

アインシュタインが生まれたのは1879年3月14日である。アインシュタインは1939年の秋、ルーズベルト大統領宛に、世界のいづれかの国が原爆を開発してしまふおそれがあることを示唆する手紙を書いた。それがきっかけになってアメリカにマンハッタン計画が始まり、ひいては広島・長崎につながる悲劇がもたらされた。そのことのために、アインシュタインのことを悪く言ふ人を見かけることがある。しかし、それはあまりにも一方的なものの見方で、アインシュタインはその使用を抑制する心を持たないものの手によって原爆が製造されることを懸念したのである。結局アメリカ自身にもその抑制はなかったわけであるけれども、アインシュタインの手紙が悪かったわけではないと思ふ。原爆の開発は遅かれ早かれ誰かによって世界のどこかで実現されてしまふ命運にあったからだ。エネルギーと質量とは同等のものであると見抜いたアインシュタインは、その理論が原爆使用といふおぞましい応用に帰結したことを深く悲しんだ。本当に科学や学問を愛する人ほど平和をも愛するものだ。叡知を持たぬ文明は文明とは言へないけれども、科学を探究する心や科学の進歩まで悪く言ってはいけないと思ふ。現代はどうかすると核兵器の部分的使用をちらつかせる国もある。その様な非学問的態度こそ強く戒められねばならない。彼らは是非アインシュタインの持ってゐた平和の心に学んでほしいと思ふ。

曇り時々雨の天気だった。