平家物語 巻第四 「大衆揃 1」

2023-01-25 (水)(令和5年癸卯)<旧暦 1 月 4 日>(仏滅 癸未 二黒土星) Paul Pål 第 4 週 第 27014 日

 

搦手に向かふ老僧どもの顔ぶれは以下の通りである、大将軍には、源三位入道頼政、乗圓房阿闍梨慶秀、律成房阿闍梨日胤、帥法印禅智、禅智の弟子義寳・禪永をはじめとして、都合その勢一千人、手に手にたいまつを持って如意が峯に向かった。

一方、大手の大将軍は嫡子伊豆守仲綱、次男原大夫判官兼綱、六条蔵人仲家、その子蔵人太郎仲光。

大衆には圓満院大輔源覚、成喜院荒土佐、律成房伊賀公、法輪院の鬼佐渡。これらは力の強さでは、刀を持てば鬼でも神でも立ち向かふといふ一人当千の強者である。

三井寺の中院に平等院といふ建物があったが、そこからは因幡竪者荒大夫、角六郎房、嶋の阿闍梨、筒井法師に卿阿闍梨、惡小納言(筒井といふのは三井の南院三谷の一。また北院もあり、これも三井三院の一。北院新羅社の西南に金光院があった)。

北院からは金光院の六天狗、式部・大輔・能登・加賀・佐渡・備後等である。

松井の肥後、證南院の筑後、賀屋筑前、大矢の俊長、五智院の但馬、乗圓房阿闍梨慶秀と同じ坊に住むもの六十人のうち、加賀光乗、刑部春秀。

法師原では一来法師と肩を並べるものはゐなかった。

雑役に従事した法師たちからは筒井の浄妙明秀、小蔵尊月、尊永・慈慶・樂住、かなこぶしの玄永。

武士としては渡邊省、播磨次郎授、薩摩兵衛、長七唱、競瀧口、續源太、清・勤を先として、都合その勢一千五百餘人が三井寺を出発した。

永僉議があったわけではないが、

色々と用事をしてゐるうちに散歩に出るのが遅くなった。