平家物語 巻第四 「永僉議(ながのせんぎ)1」

2023-01-20 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 29 日>(仏滅 戊寅 六白金星)大寒 Fabian Sebastian 第 3 週 第 27009 日

 

三井寺ではまた大衆が集まって会議を開いた。「山門(比叡山)は頼りにならないし、南都(興福寺)の援軍はまだ到着しない。ここでむざむざ時間をのばしては良くなからう。いざや六波羅に押し寄せて、夜討ちをかけやうではないか。」「それならば老少二手に分かれるが良いぞ。老僧どもは如意が峯より搦手(城郭などの背面)に向かふが良い。足軽ども四、五百人先立て、白河の民家に火をかけて焼き上げれば、京に住む人や六波羅の武士たちは「あはや事件がおきたぞ」と言って、現場に急行するであらう。その時、岩坂・櫻本のあたりでおびき寄せて、しばらくの間支へてもらふ。かうして戦ってゐる間に、大手(城郭などの前面)は伊豆守を大将軍にして、悪僧どもが六波羅に押し寄せ、風上に火をかけ、ひともみ揉んで攻めれば、太政大臣が焼き出されて出て来るであらう。そこを討ち取るのだ。」と話し合った。

今日は大寒だが、気温はプラスであった。