偶然の意味

2023-01-19 (木)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 28 日>(先負 丁丑 五黄土星) Henrik Henry 第 3 週 第 27008 日

 

「偶然に意味はあるのか」これは誰の人生にとっても大きな問題ではないかと思ふ。自分のこれまでの人生を振り返ると、この世に生まれたことも偶然かもしれない。小・中学校で色々な人と同級生になったのも偶然かもしれない。大学受験とか就職になると自分の意思が働くけれども偶然の要素もかなり大きい。会社を途中でやめてスウェーデンに移った時はどうか。それは見方によっては自分の意思で決めたとも見えるが、内面では見えざる糸に導かれて行動したまでに過ぎない。こんな風に振り返ると、どんな偶然にも、きっとそれなりの意味があるのだと思はれてくる。この宇宙には何かしら意思が働いてゐるのだといふ風なことを思ってしまふ。でもこれはある意味では危ない考へである。唯物論的な見方に立てば、万物は単に原子からできてゐるのであり、1個1個の原子の運動に意思があらうはずはない。そこには善もなければ悪もない。それで、この矛盾する様な二つの面をひとつの身に収めて生きていくしかないのだと思ふ。都合の良い時に都合の良い方に解釈するといふ意味ではなくて、二つの面が矛盾してゐる様に見えるのは、自分が既成の固定観念に囚はれてゐるからであり、本当に自由に心を遊ばせれば、矛盾でもなんでもない世界が待ってゐる様な気がする。

まだ寒のうちなのに、春の予感を思はせる様なお天気であった。