ごみゼロ宣言の町

2021-12-02 (木)(令和3年辛丑)<旧暦 10 月 28 日 先勝 甲申 四緑木星) Beata Beatrice 第 48 週 第 26601 日

 

新聞を読んでも最近はなかなかいいニュースに出くはさないが、今日は明るいニュースの記事を見た。日本経済新聞電子版のカーボンゼロネーティブといふ特集の中の記事である。徳島県の中部にある上勝町で、「ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)宣言」が出されてゐるといふ記事であった。ごみをゼロにするとは、埋め立てや焼却処分をしないといふことである。単に宣言するに止まらず、既にゴミ収集車が走らない、といふからすごい。僕が子供の頃にはゴミ収集車などなかった。家で出る紙くずなどは庭先で自分で燃やしたものだった。プラスチックがまだ世に普及する前であったので、そんなこともできたのだと思ふ。それが、いつの間にか、家で出るごみは市が回収するようになった。自分の家で焼却してはいけませんといふことになった。これはある意味で危険な体制である。全てお上にお願ひします、といふ気風が生まれて、住民が自分のことは自分で責任を持つ、自分の出すごみは自分で始末をつける、といふ気概がなかなか生まれにくいからである。全てをお上に任せたばっかりに80年前に日本は戦争を始めてしまったのだ。それとこれとは別問題といふ人もゐるかもしれないが、いづれも同じ構図であると思ふ。ところで、ゴミ収集車を走らせない発想は素晴らしいと思ふ。課題は色々とあると思ふが、頑張って進めてほしい。日本中がそのような町になってほしい。できるなら、僕もそのような活動に参加したいものだと思った。気候変動のことが現代の大きな問題になって、COP26で国際的な協調はどのようになったかなどがよく話題になる。化石燃料を国ごとにどのように減らしたら良いかはもちろん大事な課題だと思ふが、政治目標を掲げて化石燃料を減らしたからと言って、必ず気象の安定が保証されるわけでもない。この星に住む住民のひとりひとりが意識を持って、草の根のような活動をすることこそ、大事なんだと思ふ。

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雪が降った。白い12月になった。薄明かりの夕暮れ。