欲望と禁欲の間

2021-11-22 (月)(令和3年辛丑)<旧暦 10 月 18 日> (先負 甲戌 五黄土星小雪 Cecilia Sissela 第 47 週 第 26591 日

 

年をとると、生きていく上でのあらゆる欲望が希薄になりがちだ。人の生き方には、欲望を積極的に肯定して生きる生き方もあるし、それとは反対に禁欲的な生き方もある。この二つの生き方は、自分はそのどちらを選ぶべきかといふ問題ではなく、両方の行き方を自分の中で混ぜ合はせて、自分にあったバランスをとることが大事ではないかと思ふ。年を取ってくると、そのバランス点が次第に禁欲的方向にシフトするのを感じる。そもそも人間が苦しむのは欲があるからで、その欲望を抑へれば苦しみは減ることになってゐる。年寄りの場合はそれで良いが、若い人の場合はさうもいかないと思ふ。この頃の世相を見ると、コロナだとか、気候変動だとか、「みなさんここは我慢しませう」といふ禁欲的方向に全体が流されさうな気がする。地上の人類の全員が禁欲的に生きるなんてできないのではないか。欲望と禁欲の間のどこにバランス点を置くかは人によってそれぞれ違ふので、問題点をよく認識した上で、自分の欲望の範囲を改めて自覚することは大事かなと思ふ。この世に生まれ落ちて、欲望とどうつきあふかは人生の大きなテーマだと思ふ。

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今日は小雪。朝は冷えて-6℃まで下がった。