立花隆氏を悼む

2021-06-24 (木)(令和3年辛丑)<旧暦 5 月 15 日> (先勝 癸卯 七赤金星) Johannes döparensdag    第 25 週 第 26430 日

 

立花隆氏の逝去のニュースを見た。氏は昭和から平成へかけてたくさんの著作を残し、著作だけではなくテレビ番組との共同作業もあった。数多い日本のノンフィクション作家の中で、柳田邦男と立花隆とは、ひとつの時代をなしたといふ印象が、僕の中では強い。僕自身はとてもその知の世界についていけないが、膨大な仕事をなした人だと思ふ。その代表作を尋ねれば、「田中角栄研究」を始めとして「宇宙からの帰還」「サイエンス・ナウ」「脳死」「臨死体験」など現代科学も数多く取り扱はれてゐる。でも、多くの新聞記事にあまり見かけないのだが、僕にとって一番身近に感じる立花隆は「音楽創造への旅」といふ本の中に現れる。国内よりもむしろ海外でより有名な作曲家武満徹がどのように音楽創造への旅を歩んだかが書かれてゐるのだが、かつてあの武満徹立花隆にだけは全幅の信頼を置いたことがわかって来ると、僕も立花隆を尊敬しないわけにいかなくなるのだ。また、この本は音楽にとどまらず、昭和の市民の中の文化史をよく伝へる本であると思ふ。初出は雑誌に掲載された記事を後年にまとめ直したものであるが、この本を読み終へた時、立花隆の遺書を読んだような気がした。そんな大事な本であるのに、氏が亡くなったので手に取ってみようと探したら見当たらない。もしかしたら日本の家に置いたままになったかもしれない。氏が亡くなった時にあの本がすぐ手元にないのは少し残念な気がした。

f:id:sveski:20210625035159j:plain

普段から家の周り0,5kmを出ない暮らしだが、今日は2,5km離れたところまで来てこの写真が撮れた