2033年問題

2021-05-06 (木)(令和3年辛丑)<旧暦 3 月 25 日> (先負 甲寅 三碧木星) Marit Rita   第 18 週 第 26381 日

 

地球といふ星は本当にうまくできてゐるなと、色々なところで僕は感心する。地球のどこに感心するかをひとつづつ数へれば面白いかもしれない。その感心することの中から、思ひつきでひとつだけあげると、およそ365日で1年が巡るといふことである。これは円を1周した時の角度360度に近い。大雑把に言へば1日が過ぎる間に地球は1度だけ公転を進めるのである。偶然なのかもしれないがこれは大変に素晴らしい偶然だと思ふ。日本の暦には二十四節気があるが、地球が太陽の周りを15度進むごとに節気が変はる。大体は15日で新しい節気を迎へる。ちなみに昨日が「立夏」であった。太陰太陽暦は、月の満ち欠けの周期を元に暦月を決めるのだが、それだけであると何年かするうちには季節が合はなくなる。それで、2年または3年に一度ほど閏月を挿入する。その年は13ヶ月になる。この閏月をどこに入れるかを決めるのが二十四節気であるとも言へる。しかし、太陰太陽暦はあまりにもその運用期間が長かったからといふものか、2033年には日付を決められない状況に直面することが懸念されてゐる。明治政府は明治6年にそれまでの太陰太陽暦をやめて太陽暦を正式採用した。それ以降は人々の実生活では太陽暦しか使はないので、もはや太陰太陽暦は不要だと思ふ人もあるかしれないが、太陰太陽暦がないと大安や仏滅などの六曜も決められないことになるし、古典文学の中に現れる暦の季節感が捉へにくくなるのではないかと心配である。最近は毎年のように、地震だ、津波だ、火山だ、異常気象だ、疫病だと災害が続いてゐる。太陰太陽暦が行き詰まることがあっても、どうぞ地上の生命に平安な日々が続きますようにと、祈らないではゐられない。

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今日も雲が垂れ込めて気温は低かった