平家物語「阿古屋の松 1」

2021-03-26 (金)(令和3年辛丑)<旧暦 2 月 14 日> (先負 癸酉 七赤金星) Emanuel  第 12 週 第 26341 日

 

平家討伐の陰謀が漏れたことで、大納言・藤原成親の他にも処罰を受けたものは多かった。近江中将入道蓮浄は佐渡国、山城守基兼は伯耆国式部大輔正綱は播磨国、宗判官信房は阿波国、新平判官資行は美作国といった具合である。

ところでその頃、入道相国・平清盛は福原(神戸市兵庫区のあたり)の別荘にゐた。安元3年(1177年)6月20日になって、攝津左衛門盛澄を使者に立てて、門脇の宰相(清盛の弟の平教盛)のもとへ「思ふことがある。丹波少将(藤原成経のこと。成親の長男で、教盛の娘を妻にしてゐる)を急いでこちらに寄越しなさい」と伝令した。宰相は「私が預かる前からどうなりとなってゐたのなら仕方がない。今更私に心配をさせるのは悲しいことだ。」と言って成経に福原へ行く様に促した。保護してもらへる望みも消えて、成経は泣く泣く福原へ行った。女房たちは「無駄かもしれませんが、もう一度清盛様に助命を嘆願してください」と教盛にすがると、教盛は「考へつくほどのことはみな言った。今は私が出家するといふ以外になんと言って嘆願したら良いものやら。それでも、どこの海辺に流されたとしても、私の命ある限りは必ず安否をお尋ねする様にしませう。」と言った。

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