IKEAのカタログがなくなる日

2020-12-09 (水)(令和2年庚子)<旧暦 10 月 25 日> (仏滅 丙戌 二黒土星) Anna   第 50 週 第 26234 日

 

IKEA のカタログ」といへばスウェーデンでは誰もが知ってゐる。毎年秋の新学期が始まる頃にその年の新製品も載せたカタログが各家庭に配られるのである。それで、僕にとっては「IKEA のカタログ」は秋の季語としての感じを持ってゐた。このカタログを全家庭に配るといふアイデアIKEA の創業者 Ingvar Kamprad の発案によるもので、1951 年に始められた。この様に国民に長く親しまれてきた「IKEA のカタログ」はこのたび終了することになったとニュースで見た。IKEA の経営上の都合でその様にしたといふよりは、消費者の行動が劇的に変化して、カタログが利用されることが少なくなって、IKEA としては新しい顧客とのコミュニケーション方法を模索することになったとのこと。もはや紙のカタログの時代ではないといふことかなと最初は思った。しかし、もっと大掛かりな変更である様である。紙のカタログをデジタルに置き換へるといふのではない。そもそもデジタルにおいても、「カタログ」といふ概念を取り去ってしまふといふのである。製品画像はもちろん画面上で見ることができるのだが、それはカタログとは違ったものになるらしい。顧客とのコミュニケーションのデジタル化の開発は以前から進められて来たが、コロナパンデミックによって一層加速されて、ついにカタログといふ概念の廃止といふ結論に至ったらしい。単に経営上の無駄を省くといふ発想ではなく、新しい方法を積極的に開発することの意味が強調されてゐた。IKEA の店舗は日本にもたくさんある。日本の IKEA からもカタログがなくなるのだろうと思ふ。

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いつもと少し違ふ散歩道