大量失業の時代

2020-07-12 (日)(令和2年庚子)<旧暦 5 月 22 日> (友引 丙辰 八白土星) Herman Hermine 第 28 週 第 26084 日

 

いっとき、就職氷河期といふ時期があった。今回のコロナ禍の後にはそれ以上に厳しい大量失業時代が来るのではないかと恐れる。でも、かつて日本は戦争に負けて、大都市がことごとく焦土化した時は、大量失業の時代であったに違ひない。また、お維新の時には己の仕へてゐた藩が廃され多くの武士たちは給料の呉れ手を無くして途方にくれたと思ふ。明治時代だって、例へば夏目漱石の小説を読むと、さほど裕福でもない若い夫婦の家にお手伝ひさんがゐたりする。それだけ就職先が無かったのだと思ふ。歴史上のお話なら、大変であったのだね、と感想を漏らすだけですむかもしれないが、今回は今を生きる身の上にふりかかる危機である。こんな時どうすれば良いのかなと思ふ。一般的にかうすれば良いといふ普遍的な方法はないと思ふ。その時その人その立場に即した、固有な方法をそれぞれが見つけなければいけないのかなと思ふ。僕の親は言はなかったが、「おめえら誰のお陰でメシが食へてると思ふんだ」といふ発想が、子供の頃の社会の中にはあった。今でも従業員に対してそんな考へ方をする経営者はあるかもしれない。けれどもどうかそんな時代に戻るのではなく、新しい価値を創出し、人々が知恵を出し合ひ、助け合ふ社会を建設してほしいと思ふばかりだ。

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散歩の途上に松を見ると奇跡の一本松のことを思ひ出す。