平家物語 「吾身榮花」

2020-05-15 (金)(令和2年庚子)<旧暦 4 月 23 日> (友引 戊午 四緑木星) Sofia Sonja   第 20 週 第 26026 日

 

平清盛の榮花はその一身に留まらず、嫡子重盛、次男宗盛、三男知盛はもちろん、嫡孫維盛までもが要職に就いた。「惣じて一門の公卿十六人、殿上人卅餘人、諸国の受領、衛府、諸司、都合六十餘人なり。世には又人なくぞみえられける」。また八人の娘たちのことも述べられ、「皆とりどりに幸給へり」。そのひとり平徳子高倉天皇中宮となり、安徳天皇ご誕生。天下の國母となりしのちは院号かうぶらせ給ひて建礼門院とよばれた。このころが平氏一門のもっとも輝いた時代であった。朝廷の歴史を紐解いても左大将・右大将の両方を兄弟がしめる例は少なかった。30年前「殿上の交をだにきらはれし人の子孫にて、禁色雑袍をゆり、綾羅錦繍を身にまとひ、大臣の大将になって兄弟左右に相並事、末代とはいひながら不思議なりし事どもなり」。現代でも実業家や政治家が自分の身内を後継者に抜擢する例はあると思ふが、今の時代には想像もできないほどの、もっと大規模な同族だけの栄耀栄華が過去にはあった。その繁栄を妬むものが現れても不思議ではない。

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白樺の若葉の色も初々しい