朝の光

2020-03-15 (日)(令和2年庚子)<旧暦 2 月 21 日> (仏滅 丁巳 六白金星) Kristoffer Christel  第 11 週 第 25965 日

 

昨夜は寝る前に、ブラインドの角度を開いて休んだ。春分も近づき、この頃は随分日の出が早くなった。今朝は朝の光が瞼を揺らして目が覚めた。起き出して部屋の扉を開けると、ひとすじの光は扉の隙間を抜けて廊下に伸びた。さらに廊下を斜めに横切ってその先の台所にまでも届いた。低い角度で入射したこの光が長い影を落としてずっと奥にまで届く時間帯は限られる。明るい光を反射する床の色を見ながらふとその一瞬が貴重な時間の様に思はれた。いくつもいくつも朝を迎へるけれどもこの朝の光は今だけのものである。今はコロナウイルスで世の中は騒いでゐるけれども、こんな騒ぎが起きることと自分の生き方との間にはどんな関連があるのかなといふことを思った。パンデミックもやがては収まるであろう。そして人々は次第にまた動き出すであろう。だが、その様な平和の早く戻ることを単に願ふだけでは何か足りないのではないか。今回の事件では僕らの文明の便利さの陰に潜む危ふさが浮き彫りにされた。それは将来、形を変へてやって来る、もっと大きな危機を迎へ撃つための警鐘に過ぎないのではないかとも思った。今の便利さを維持しつつ、将来のために僕たちは何をどの様に備へなければならないのだろうか。

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玄関の郵便受けの下のクロッカス。