啓蟄

2020-03-05 (木)(令和2年庚子)<旧暦 2 月 11 日> (赤口 丁未 五黄土星啓蟄 Tora Tove  第 10 週 第 25955 日

 

この冬は暖かかったので、春を待つ気持ちはさほど強くなかったが、同居人と近くのスーパーまで歩いた時、春を感じた。空気も柔らかだし、道路の脇の残雪から溶け出した水が小さな流れを作ってゐた。庭にはクロッカスも2本芽を出した。今日は啓蟄である。普段ならこんな春を楽しむのだが、聞こえてくるニュースはコロナウイルスの特集ばかりやってゐて、なんだか気が重い。今日までのデータでは日本で315人、スウェーデンで88人が感染してゐる。コロナウイルスは金属、ガラス、プラスチックなどの物体表面で9日間生存すると言ふ記事も見た。そんなに長く生存されてはなかなか収束に向かはないと思ふ。世界の人口の3分の2が感染するといふ予測もあるさうだ。多くの人がマスクをして手を洗ってうがいをして予防しても感染る時には感染ってしまふ。過剰に心配してはいけないと思ふ反面で、そんな予測を聞けばあまり楽観視もできない。将来、今と同じ様に疫病の流行が世界的に発生した時に、今回の経験から一体どれだけのことが参考になるのかなと思ふ。傾向が現れ始めてからの水際作戦といふのはもうほとんど気休めか、危機管理のポーズにすぎない。「初動の対策に失敗すれば後はほとんど打つ手がない」といふ事が唯一の結論ではないかと思ふ。これから先の数ヶ月にどれだけ被害を抑へられるか、今となっては苦しいものがある。

f:id:sveski:20200305121655j:plain

春の空