日脚伸びる

2020-01-26 (日)(令和2年庚子)<旧暦 1 月 2 日> (友引 戊辰 二黒土星) Bodil Boel 第 4 週 第 25916 日

 

「日脚伸びる」といふと春の様に感じられるが、これは冬の季語である。この頃それを感じられる様になった。春が近づくにつれて日が長くなる。日本では1日に畳の目ひとつづつ日脚が伸びるなどと言はれることがあるが、北欧の場合は、特に3月頃は、畳の目にすれば五つも六つも長くなる感じがある。北に住めば住むほどそれは顕著となる。春分秋分の頃に限れば、日本でもスウェーデンでも日の出日の入りの時刻は大差ないと思ふが、スウェーデンでは夏に向かふにつれてぐんぐん日が長くなる。夏至の頃は真夜中でも地平線のあたりがほんのりと明るい感じがある。その反対に、冬はほんの少しの間しかお日様は顔を出さない。日本では失恋したりすると人は北国へ旅に出るものだが、スウェーデンまで来れば旅のし甲斐がある。スウェーデンでも北緯66度33分まで北に行くと、Arktiska Cirkeln と表示された看板がある。ここまで来ると、夏至の日には真夜中でも太陽は地平線すれすれをかすめて陽が沈まない、本当の白夜になる。ちなみに北海道の北ではArktiska Cirkeln には遠く届かない。樺太の北端でもまだ届かない。カムチャッカ半島の北端でもまだ届かない。それでも頑張って北上すれば、そこはきっと襟裳の春よりまだ何もないところではないかと思ふ。また、そのあたりでは、冬至には全く陽が昇らない。一日中、暗い生活である。高緯度地方ではそれほど日の出・日の入りの時刻が一年のうちに大きく変化するので、こちらの人々は、日の出・日の入り時刻に高い関心を持ってゐる。ちなみに僕の住む地方では、今日の日の出は8時12分、明日は8時10分。日の入りの方は、今日は15時56分、明日は15時58分といったところである。

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気がつくと夜になってゐた。夜の海を1枚。