「ベテルギウス」の異変

2020-01-18 (土)(令和2年庚子)<旧暦 12 月 24 日> (大安 庚申 三碧木星) Hilda Hildur 第 3 週 第 25908 日

 

この頃、オリオン座の1等星「ベテルギウス」がとみに暗くなったと新聞で読んだ。実際、夜空に輝く冬の星座を眺めて、オリオン座の右肩にある「ベテルギウス」と左肩の2等星「ベラトリックス」とを比べると、見た目にはどちらが明るいかわからないほどである。「ベテルギウス」は赤色巨星に分類されて、星の一生では晩年にあたる。星は燃え尽きる前にどんどん大きくなって赤くなると言はれてゐる。そして最後には大爆発を起こす。我が太陽系の太陽も、50億年ほど経てば、どんどん膨らんで地球を飲み込むとも言はれてゐる。その時地上の生命はどうなるのかな。全滅かもしれないし、何かの形で宇宙に飛び散るのかもしれない。「ベテルギウス」はもともと変光星であるので、暗くなったからと言ってたちまち爆発する訳ではないと書いてあった。数十万年は爆発しないかもしれないとも。宇宙の十万年はほぼ一瞬である。「ベテルギウス」までの距離は640光年であるので、もしも640年前に爆発してゐれば、間もなく地球で明るい星が観察できることになる。スーパーカミオカンデでは爆発時に放出されるニュートリノの到来をしっかりと観測してゐるさうである。ところで1054年には超新星の爆発が観測されて、それは「かに星雲」として残った。その肉眼でも見えた明るい星の記録は藤原定家の日記「明月記」に記されてゐる。この時代によその国の一般市民も同じ現象を見た筈だが、よその国の市民の日記にもそんな記録があって今も残ってゐるのかなと思ったりする。日本は日記の国、今ならブログの国、だと思ふ。

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夕暮れ時の淡い空の色は、北欧の芸術の基調の色である様に思はれる。