デジタル通貨の時代

2019-12-03 (火)(令和元年己亥)<旧暦 11 月 7 日> 大安 甲戌 二黒土星)Lydia  第 49 週 第 25862 日

 

Facebook がデジタル通貨「リブラ」の構想を発表した時、最初に浮かんだ疑問はそれはビットコインなどのこれまでにある仮想通貨とどの様に違ふのかと言ふことであった。日本では三菱UFJ銀行などがMUFGコインの構想を出してゐる。でも、ほとんどのデジタル通貨が裏付け通貨としてドルやユーロや円をベースとした上のものである。いくら多量のデジタル通貨を持ってゐても、もし従来の基軸通貨に交換できる保証がなければ安心できない。スウェーデンでは swish と言ふアプリを使って、携帯電話で個人間でお金を送る方法が普及してゐる。しかしこれはスウェーデン通貨のクローネでやりとりするものであるし、もともと銀行に口座を持たなければ利用できない。ところがリブラの場合は、それ自体で十分通貨として国際的に通用することを目指してゐる。お金が簡単に国境を超えてしまふ。銀行に口座を持たなくてもお金のやりとりができる点でそれは各国の金融当局から見れば脅威でもあり警戒感が強い。リブラの構想が発表されてから、その実現へ向けての道は遠のいた様に見える。でも、長期的には、リブラは覇権を強くして行くのではないかと言ふ気がする。今日のニュースでは中国でデジタル人民元の構想があることが出てゐた。日本のMUFGコインに似てゐるかもしれないが、決定的に違ふのは中央銀行がそれを発行することだ。キャッシュレスは日本より中国の方が進んでゐるらしいので発行されればあっと言ふ間に広がり、実際の人民元紙幣は次第に使はれなくなると思ふ。

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