バスから眺める風景

2019-10-24 (木)(令和元年己亥)<旧暦 9 月 26 日>(仏滅 甲午 三碧木星霜降 Evert Eilert FN-dagen  第 43 週 第 25822 日

 

成田空港へ到着すると、羽田空港まではバスで移動した。窓越しに東京の街を眺めるといつもながらホッと安心した気分になる。台風19号多摩川などが氾濫してまだ被害が続いてゐる状態なので、喜びをあらはにしてはいけないのだが、それでも日本に戻ってきた時の安心感はいつもと同じだ。もし通勤などで毎日眺める景色が後ろへと流れ去るだけであるなら感動もないだろうが、同じ景色をたまに帰って眺めると、心が動くものだ。海外からの要人を迎へての警戒体勢は今日まで続いたが、バスはさほど遅れなかった。成田空港に着いてから自分の郷里に帰るのに、僕はいつも飛行機を利用する。これは電車が嫌ひであるからではない。住むところが鉄道の駅から遠く、路線バスもこの頃は不便なので電車を降りてから時間がかかる。タクシーは高くつく。大きな荷物は宅配便にすれば良いのかもしれないが、この頃は送料も高いので、なるべく自分の手に持って移動する。もし小松空港から高速バスを利用すれば、家の割と近くで降りることができる。その利点があるので、僕の場合は飛行機で小松空港まで帰るのである。小松空港から福井行きのバスは日本海沿ひに走り始めるが、やがて左手に山が迫って来る。山の中腹に雲がかかって薄い霧に霞んだ。それがまた山水画の様に幽遠な感じがあって良かった。故郷を感じた。