赤ちゃんライオンの死

2019-08-10 (土)(令和元年己亥)<旧暦 7 月 10 日>(仏滅 己卯 六白金星)Lars 第 32週 第 25748 日

 

ドイツ・ライプツィッヒの動物園で、母ライオンが生まれたばかりの赤ちゃんライオン2匹を食べて殺してしまったと、CNN ニュースで見た。せっかく生まれた赤ちゃんを飼育係の人は大事にしたいと思っただらうに、母ライオンは不可解な行動をとった。だが、それを不可解と思ふのは文明に慣れた僕らの発想であって、ライオンにはライオンの考へがあるのだと思ふ。いや、考へといふより、本能的にさうしなければならないと感じるものがあったのだと思ふ。このままではこの子は普通に成長できないと母ライオンが判断すると、その様な行為に及ぶことがあるといふ。文明国の動物園に生まれればそんな心配は小さかったかもしれないのだけれども、そのことは母ライオンにはわからない。母ライオンはおそらく淡々と子を殺してしまった。野生の動物だって死ぬのは怖いと思ふだらうが、僕ら以上に死ぬのは当たり前のことと悟ってゐる様に見える。それに対して僕らはあまりにも今日も生きるのが当たり前のことと思ってゐる。命の神秘さ、厳粛さを知る程度において、僕らは野生動物にかなはない気がする。

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ナナカマドが実をつける季節になった。