簾戸の季節

2019-07-08 (月)(令和元年己亥)<旧暦 6 月 6 日>(大安 丙午 三碧木星) Kjell 第 28週 第 25715 日

 

一年中家にゐるなら、6月初旬の衣更に合はせて、家の佇まひも夏のものにするところであるが、僕の場合、日本の家には時々しか帰って来なくて、それも短い滞在であるので、その期間中にいちいち障子の入替までするのは煩はしい気もする。現代は忙しい時代であるので、多くの人にとって障子と簾戸の入替をすることも少なくなってきたと思ふ。けれども、納戸にしまはれてゐる簾戸を見た時、もし、取り替へてやらなければ、簾戸は「今年も使はれることがなかった」と悲しむかもしれない。さう思って、今日は納戸から簾戸を出して障子と入れ替へた。障子は下半分にガラスが嵌まってあるので、丁寧に扱はないと割れてしまふ。もし割れるとどこで修理してもらへるか分からないので、扱ひを慎重にせねばならない。やってみれば 20 分もかからない作業であったけれども、行動を開始するまでは何かひと仕事をする様な重さがあった。出来上がって見れば座敷が夏の装ひになって、気分が新鮮になった。短い滞在中にこんなことができるのも、同居人がもっぱら庭の方をやってくれるからである。何気ない暮らしの中に時の移りをかみしめたい。

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クーラーの無い家では東側の戸を開けると簾戸を通して部屋に風がわたる。