最北の茶室 - 瑞暉亭

2019-05-07 (火)(令和元年己亥)<旧暦 4 月 3 日>(赤口 甲辰 八白土星) Carina Carita 第 19週 第 25653 日

 

Stockholm には、Etnografiska museet に隣接して瑞暉亭と言ふ名の茶室がある。僕はお茶の作法は全くの素人であるのだが、「茶の心」には関心があるので、「瑞暉亭友の会」の名ばかりの会員になってゐる。日本には茶室がたくさんあるが、最北の茶室はどこだらう。さう思ってネットで調べると、どうも札幌に「八窓庵」といふ茶室があるのが北限らしい。小堀遠州の作と伝へられてゐる。冬の間はどの様に管理されるのかなと思ふ。Stockholm の茶室はもしかすると世界で最北の茶室かもしれない。冬の間は閉ざされて、夏だけ開く。今年は5月12 日が茶室開きで、それに先んじて茶室周りのお庭の掃除をやりますと連絡があったので、今日は同居人と一緒に庭掃除、草むしりの手伝ひに行って来た。「なぜ、Stockholm に茶室が?」と思はれるかしれないが、1935 年、森林科学の知見をスウェーデンから学んだ王子製紙社長の藤原銀次郎は、日本文化の理解が深まることを願って、この茶室を寄付した。ところが、1969 年に焼失。それを惜しんだ人たちが、1990 年に新・瑞暉亭を完成。これには、日本からは、王子製紙十條製紙本州製紙神崎製紙の四製紙会社が、スウェーデンからはガデリウス AB が参加して、新・瑞暉亭ができたとのこと。小堀遠州の作とはいかないが、立派な茶室である。

 

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茶室開き前の、雨戸を閉ざしたままの瑞暉亭