日大のアメフト事件

水 旧暦 6 月 20 日 先勝 乙丑 二黒土星 Per V31 25375 日目

日大のアメフト悪質反則事件は、今なほ、新聞を賑はしてゐる。公式戦への出場資格を停止したままにするとか書いてあった。「大人たちがちゃんとしてなかったツケを学生に回した」といふ言葉も見た。しかし、と僕は思はないでもない。監督の命令は絶対服従の世界であると聞いてはゐるが、大学生にもなったものが、自分の良識を働かせずにただ監督の命令に従って良いものだらうか、とも思ふのだ。厳しいものの言ひかもしれないが、己の良心に照らして監督の命令は間違ってゐると思ったら、その様に申し出て、退部すれば良いのではないか。あの事件が起きる前にその様な挙に出た学生がそのチームの中にもし居たのなら、僕はそんな人の前途を応援したいと思ふ。何も日大に限った話ではないし、運動部に限った話でもないのだが、みんながそれほどの覚悟を持たずに学校を卒業し社会に出て行くならば、やがて彼らは役所で大事な文書を改竄し、企業でデータを不正に改竄して憚らない人間になってしまふのではないか。「これくらい良いや」とか、一つ一つは小さなことに思はれるかもしれないが、それが重なってやがて大きな問題になって行くものだ。現代の日本が抱へる根深い問題と日大のアメフト事件に垣間見える一面とはどこかで繋がってゐる様な気がする。

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