米朝首脳会談からひと月

水 旧暦 5 月 28 日 友引 甲辰 五黄土星 Eleonora Ellinor V28 25354 日目

史上初の米朝首脳会談が実現してからひと月になるが、この間に目立った動きはなかった様に思はれる。日本にしてみれば交渉の蚊帳の外に置かれた感じもある。拉致問題を抱へる日本は、解決に向けてこの機会を外してはいけないと焦る一方で、下手に日本側から交渉の実現を催促すれば、最初から北朝鮮のペースに巻き込まれることもありうる。それで、ズルズルと時が過ぎてしまふのではないかと思ふ。北朝鮮はルール違反の既成事実をさんざん作ってしまってから、それをちらつかせながら交渉するといふ巧妙なやり方をするので、なかなか交渉も大変であると思ふ。そもそも、北朝鮮といふ国があることを日本は正式に承認してもゐないと思ふのだが、北朝鮮側はあたかも既に国家としてあるかの様な既成事実を作ってしまった。僕がまだ若かった頃の日本のパスポートには北朝鮮以外の国に渡るための旅券であると但し書きがついてゐたが、そんな但し書きもいつからか消えた。日本としては、金政権だけを相手として交渉するのではなく、多数の一般の人々を視野に入れた雰囲気の交渉ができないものかと思ふ。無論いきなり今の政権を崩壊させたり、南北融合に走ってはこれまた世界が不安定になるから、政権の温存への協力だけは約束しつつ徐々に状況を変へる方向を模索すべきと思ふ。北朝鮮のやり方が如何に巧妙であっても、今の政権がその権力構造そのままで、中長期にわたって国の経済を伸ばし、人々の生活レベルの向上を図ることは不可能である。そのことは今の政権自身が一番よくわかってゐるのではないかと思ふ。

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