夏の大掃除

水 旧暦 4 月 30 日 先負 丙子 六白金星 Aina Aino V24 25326 日目

「あなたの趣味は何ですか?」と聞かれた時に「掃除です」と答へてしまひたいのをいつも我慢してゐる。なぜ我慢するかといへば、その割りには部屋がさほど綺麗になってないからである。それに、昔の剣豪は道ですれ違っただけで、相手が相当の使ひ手であることを見抜いたといふが、僕も誰かと少し一緒に居るだけで、その人の掃除のテクニックのレベルを悟ってしまふのだ。大抵の人は僕よりもレベルが上である。そんな人を前にして、「掃除が趣味です」とはなかなか言へないものである。が、技術はともかく、僕は割とこまめに掃除をする方ではあるかもしれない。それでも、いつも短時間にササッとやるだけなので、モップのスイープする範囲がいつも限られてゐる。例へばピアノの上とか窓辺のブラインドなどはほったらかしになる。「すすはらひ」は冬の季語で、正月を迎へる前に身の回りを清める気持ちは理解できるが、大掃除といふものは明るい夏の季節にこそやっておくべきだ。さう思ひつつ何もしないまま今年の夏も過ぎて行くのかと思ってゐたが、今日は同居人が居間のカーテンを外したり、窓の下の棚を外したりして、朝から意欲満面で窓掃除にかかったのでビックリ。つられて僕もブラインドなどの掃除をした。狭いところに器具を差し入れて刃を一枚一枚綺麗にする作業は精神の修養には良いかもしれない。こびりつくほどのひどい汚れには至ってなかったので、割と手早く掃除ができた。かういふ作業は、始めてしまへばなんでもないのだが、始める前にはかなりのやる気を要するものである。日頃気になってゐたことをひとつ仕上げることができて、今日は良い一日であった。