イオンのない町

月 旧暦 2 月 3 日 仏滅 庚戌 八白土星 Josef Josefina V12 25241 日目

今日配信された日本経済新聞に「イオンを拒んだ町 人口減ニッポンの現実」といふ記事があった。しかもアクセスランキング2位である。どれどれと思って読んでみると、それは福井県のことであった。全国で唯一、福井県だけにイオンがないとのこと。僕自身もイオンを知らない。WAON とかいふ電子マネーは多分、イオンで使へるのだらうくらいには思ふが、それについても僕はあまり知らない。逆に福井県以外の全区域に進出を果たしたほどイオンはすごいのかとこの記事を読んで驚いた。だが、イオンの店舗がないから過疎化に向かふだらうといふ見方はあまりにも短絡的だと思ふ。ダイエーなどの昔有名だったスーパーやデパートも時の流れの中で衰微して行った。諸行無常は世の習ひで、永遠に発展を続けるショッピングモールなどないと思ふ。その地に住む人々は、イオンがないことを不便に感じるだらうか、それとも時代の流行から少し離れた落ち着きのある町の雰囲気をむしろ誇りに思ふだらうか。意見はわかれるところかもしれないが、イオンのない町を積極的にプラスのイメージに転じる都市戦略もありではないかと思ふ。念のために言ふが僕は何もイオンに悪い気を持ってゐるのではない。「イオンがない」と強調することで逆にイオンの宣伝になるのだ。福井県にもやがて北陸新幹線が走る様になると、初めて自動改札口が登場する。県庁所在地で自動改札口がない駅は福井県と多分、徳島県だけである。この様に新興文明をなるべく遠ざける感じは、福井県の地域性を象徴的に語る様で僕は決して嫌ひではない。