乳母車

月 旧暦 1 月 25 日 先勝 癸卯 一白水星 Viktoria Kronprinsessans namnsdag V11 25234 日目

お昼頃に同居人と Stockholm へ行った。娘と孫と4人で散歩もした。ちょっと買物もあって、だけど駅近くのショッピングモールに入ると空気も悪いので、二人が買物をする間、僕は外の広場で乳母車をひいてその辺を回った。もう気温もプラスで、さほど寒くはない。コトコトとした振動が心地よいのか、その中で孫は首を傾けてよく寝てゐる。トラムが止まると人が降りてくる。バスが止まるとまた人が降りてくる。色々な国から来た人の行き交ふ様子を眺めながらぐるぐると何度も広場を回った。乳母車を引いて歩くことができる町は良いなと思った。ふと、東京の街を思ったのである。もう僕は、東京の街を歩くことも滅多になくなったが、出張で東京に行った頃のことを思ひ出すと、いつも自分の前にも後ろにも人の波があって、少なくともその近辺は、とても乳母車を引いて歩けるところではなかった様な気がする。車椅子の場合も同じである。福祉を充実させるとは人口を分散させることだと思ふ。どんなに人が集まっても乳母車や車椅子が通れる程度以上に人口を集中させてはいけないと思ふ。防災の面からもそれが言へると思ふ。バリアフリーの建物を作ることは比較的簡単だが、人口を集中させない町の建設は難しい。高い塔の様な建物がいくつもいくつも空を埋め尽くす東京といふ町は本当に大丈夫かなと、そんなことを思ひながら僕はぐるぐると広場を回った。