百人一首

日 旧暦 12 月 26 日 先勝 甲戌 八白土星 建国記念の日 Yngve Inge V06 25205 日目

「かるた」といへばもちろん新年の季語で、話題にするにはもう遅いかもしれないが、旧暦のお正月も近いことなので、今日は「かるた」の思ひ出について書く。今年の日本は雪が多くて大変であると聞くが、家の外に雪がなければ僕はかるたのイメージが沸かない。僕の子供の頃はそれくらい冬にはたくさん雪が積もったものだった。小さい頃から家には古い百人一首があったが、坊主めくりで遊ぶばかりであったから、絵札に書かれた和歌の意味など全く知らなかった。それがほとんど大人の恋の歌であるなんて想像もつかなかった。高校一年生の冬休み前に古文の時間に百人一首の小冊子が配られて、冬休みの間に全ての歌を暗記して来なさいと宿題が出た。僕はギョッとした。その頃の僕にとっては古文はほとんど外国語であったから、その正月はこの宿題をやるのに非常に苦労したのを覚えてゐる。古文の先生は吉野先生で、担任の先生でもあった。後にして思へば、高校一年の時に吉野先生から行き届いた日本語の手ほどきを受けたことで、できの悪い僕でも幾分成長できたなといふ実感がある。少しづつ歌の意味がわかる様になると、こんな大胆なこと、学校の授業で習って良いのかな、と密かに感じた思ひ出もある。ずっと後年になって、百人一首の本を何冊か読んだが、今でも心に残って、また読んでみたいと思はせるのは田辺聖子百人一首(僕が読んだのは文庫本で、上下2巻あった)である。また、スウェーデンに持って来た本の中には、平凡社の「別冊太陽」の百人一首もある。1972 年12月1日発行の本で、この頃僕はまだ学生であった。今日のブログを書きながらパラパラと手にとって眺めてみたが、懐かしいものがこみ上げるのを感じた。