もうひとつのカバンも消えて

月 旧暦 12 月 13 日 赤口 辛酉 四緑木星 Diana V05 25192 日目

長年親しんだリュックサックにさよならしたのはわづか3日ばかり前のことといふのに、今日は僕の不注意から、もうひとつの、まだ新しいカバンを失ってしまった。立て続けに二つのカバンを無くしたことになる。そんな偶然もあるのかと思った。そのカバンは、新しいと言っても、購入したのは 2013 年 6 月 17 日であるから、4 年半ほど経つ。自転車事故で鎖骨を骨折して、その後やっとまた自転車に乗ることができる様になった時、ヘルメットを新調したが、そのついでに買った、自転車荷台用カバンである。あまり頻繁に使用しなかったので新品に近い。中には折りたたみのレインコートや前照灯、ポリ袋などしか入ってなかった筈だから、被害額としては少なかったのだが、自分の失敗には違ひない。今日は自転車でプールに出かけたが、出発準備の一連の動作の最中に、いつもと違ふことがひとつ入って、それで、カバンを荷台に留める手はずが狂ってしまったのかもしれない。プールについた時、荷台にカバンがないことに気づいた。脱いだ靴をロッカーまで運ぶ時に使ふいつもの袋はそのカバンに入れてあったので、ハタと無いことに気づいた。でもこれはきっと家にカバンを置き忘れて来たのだろうと思って、すぐに引き返さずに、そのままプールに入館し、帰りには町で用事も済ませて家に帰った。すると、家にもカバンが無いので驚いた。初めてカバンを途中の路上で紛失したことに気づいたのである。簡単に諦めてしまってはあのカバンに申し訳ない。道中にカバンが落ちてないか、もう一度自転車で同じコースを走って探したが、もう2時間経ってゐたこともあり、発見できなかった。あんな大きなカバンがドサっと落ちれば、背後で起こったことでも気づきさうなものであるが、今では耳も随分遠くなり、五感が衰えてゐる。それにしても、そんなに簡単に荷台から脱落するものだらうかとも思ふ。きちんとバネをかけなかったのかもしれない。ともあれ、貴重品をあのカバンに入れてなかったのは不幸中の幸ひであった。あのカバンよ、自分の不覚で手放してしまって申し訳ない。どうぞ、大事にしてくれる人の手で拾われたのであります様に。