明治といふ時代

日 旧暦 10 月 30 日 先負 戊寅 六白金星 3:e advent Stig V50 25149 日目

年末が押し迫って、鳥羽・伏見の戦ひからまもなく 150 年。明治はまさに遠くなったが、あの明治といふ時代は本当に日本の輝かしい時代であったのかなと、時々思ふ。一番僕が嫌なのは、明治新政府が、自分たちに自信がないものだから、天皇を「神聖にして侵すべからざる」存在として担ぎ上げたことである。歴史を振り返れば南北朝時代など、実際には天に二日あった時もあった筈なのに、かの日々の現場の苦しみを無視し、客観的な考察を避けて、形の上で「万世一系」に牽強する。それがやがて昭和の大悲劇を生む伏線にもなった。それを思へば「戦後レジームからの脱却」といふムーブメントも時代に逆行すると思ふ。明治といふ時代には日本に偉人はたくさん居たし、平均的日本人の精神構造も現代の日本人より確固たるものがあったらうと思ふ。そのことへの憧れは悪くない。でも、そのことと、あの時代へと無条件に無批判に復帰を望むこととは全く別のことと思ふ。