品質不正の国

木 旧暦 10 月 6 日 先負 甲寅 一白水星 勤労感謝の日 Klemens V47 25125 日目

昨日は暦の上で「小雪」であったが、スウェーデンの北の方では大雪の恐れとの注意報が出るほど。我が家の自動車も自転車も冬タイヤに交換してもらった。ところで、この頃の日本の新聞を見てゐると、世の中に出回る製品の品質検査に不正があったとされる記事が目立つ。それも一流企業に於いて、である。優良企業の筈なのに、あちらかもこちらかも頻繁に不正が報告されるのは不思議な気がする。どこの会社でも、そんなに悪い人間が居て、そんなに悪いことをしてゐるとも思はれない。普通の感覚でやってるのだと思ふ。しかし、そのうちにそれが当たり前になって、その程度の不正はどこの会社でもやってゐる、と人々が考へる様になるとやっぱりこれは問題である。競争社会で生き残るために進める合理化が、一歩を踏み外して信用を無くすれば元も子もなくなることはみんな知ってゐる。どんなに需要が高まっても、十の容量があれば生産を八で留めるくらいの心がけが大事ではないかと思ふ。(その意味では、例へば三菱重工MRJ は、何度も納期を延ばして不評を買ひ、営業的に苦境に立たされながらも、安全を優先させる態度として僕の目には映る。長い目で見れば、そんな方が正しい選択であると思ふ。)デフレからの脱却とかの掛け声に煽られて、多くの会社で理念を失ひ、企業の目標とすべきことが変な方向を向いてゐる様な気がする。多くの会社でさうなるのは、会社だけが悪いのではないのかもしれない。では、さうせざるを得なくなるプロセスとは一体何だらうか。