宇宙の話

月 旧暦 5月4日 友引 丙辰 二黒土星 Yvonne Jeanette V22 24947 日目

この頃、宇宙に関係する本を読むことがある。その一冊は、前にも一度ブログに書いたことがあるが、大栗博司著「重力とは何か」(幻冬舎新書)。この本を読むと、物理学は近い将来、僕たちには想像もできないほどの劇的な変化を遂げるのではないかと思はれて来る。技術の進歩が著しく、観測が緻密になり、理論と実験が絡み合ふ様に進展するそのスピードが最近とみに増した感じがする。時間と空間と重力との間の関係も明らかになるのではないかと思ふ。ホログラフィー原理といふのも夢みたいな話で、僕らのこの三次元空間で起きることは、全て二次元のスクリーンに投影して表現されるといふ。しかもその二次元の世界には重力が含まれないとのこと。これを読んだ時、僕は脱線して、科学の話とは全く別なことを連想した。黄泉の国で閻魔大王がひとりひとりの行ひを、良いことも悪いことも細大漏らさず記録してゐるといふ話が、現実にあるのではないかといふことを思った。そこではどんな完全犯罪も明るみに出され、どの様な証拠隠滅も無効となり、冤罪で生涯を無為に過ごした人の無念ははらされる。そして因果応報の理だけが残る、、、。先端科学がさらに進歩した先に待ってゐるものは、太古の人間の心に宿った素朴な善悪の基準の確認ではないだらうか。僕らがこんなにも確かだと思ってゐるこの現実はただの幻影に過ぎない。近来、バーチャルリアリティの発達が著しいが、リアリティーだと信じてゐたことが実は既にバーチャルであったとわかる日が来るかもしれない。宇宙は本当は非常にたくさんあって、自分はたまたまその中のどれかに身を置いてゐるだけ、、、。これからの科学の進歩は、これまで以上に人の生き方に大きな影響を与へることになると思ふ。それもそんなに遠い先の話では無いらしい。