大臣の失言

金 旧暦 4月3日 赤口 乙酉 七赤金星 Ture Tyra V17 24916 日目

「まだ東北でよかった」の発言で、今村復興相は更迭された。普通の場合は、失言の後、数日の間はあれこれ沙汰や弁明があってから辞任に追ひ込まれるものだが、今回の場合は担当大臣の発言が発言であっただけに、ほとんど即刻更迭された。失言は誰にもあることかもしれないし、誰だって自分では気づかぬうちに人を傷つける発言をしてるかもわからないので、あまり舌鋒鋭くしてはいけないのかもしれないと思ひつつ、さういふ割引を考慮しても余りあるひどい発言であったと思ふ。本人が普段から思ってゐることがまさに言葉になってついて出た印象が強く、その意味では、他の大臣たちは同じことを思っても口にしない狡猾さを持ってゐるだけかもしれず、それを思へば、素直に本音を吐いてくれたことを評価したいほどである。それにしても今の時代は、言葉が持つ本来の力を、僕たち自身がうまく引き出せなくなってきてゐると思ふ。それが、今回の大臣による粗雑な失言に、象徴的に現れてゐるといふことはないだらうか。小学生から英語を習はせろとか言って、学校で母国語を大事に教へようとしないから、こんな事件も起きるのではないかと思ふ。