昔の歌

日 旧暦 11月20日 赤口 甲戌 二黒土星 Abraham V50 24773 日目

どこの国の人でもさうかもしれないが、日本人はリズムが好きであると思ふ。そしてそのリズムの遊びから詩が生まれたと思ふ。リズムと言へば、祭りや納会では一本締めがあったり、運動会の応援には三三七拍子があったりする。でも、これらのリズムはやはり体育会系のものだと思ふ。といふのも三三七拍子で構成される詩などあまり思ひ浮かばないからだ。「さいた さいた チューリップの花が」くらゐだらうか。僕もリズムは好きであるが、さうは言っても、現代の若い人の歌のリズムにはとてもついていけない。それで新しい歌は難しくて口ずさむことができない。あゝ、人はそれを老化といふのだろうか。昔は誰もが知ってゐる歌があった。歌ひやすい歌があった。歌は万民に共有されてこそ力を得るのではないか。昔の歌は良かったなと独り言を言って、いつも誰も聞いてないところで、僕は昔の歌を低く口ずさんだりするのだ。