中秋の月

木 旧暦 8月15日 仏滅 庚子 三碧木星 Sigrid Siri V37 24680 日目

夕食後に同居人と散歩に出たのだが、全天雲に覆はれて中秋の名月を見ることはできなかった。そもそもスウェーデンには月を愛でる習慣はないと思ふので、今宵の月を心待ちにする人などなかったろうと思ふ。日本でも古くは、「月見るは忌みはべるもの」などと出て来て、一人であまり長く月を見つめてゐると、気がふれるのでは、と心配する向きもあった様である。昔は夜が暗かったから余計さうであったかもしれない。スウェーデンは四季に恵まれた国であるが、「この季節のこの月が良い」とか、「春はあけぼの」の様にこの季節にはこの時間帯が良い、といふ発想はなかったのではないかと思ふ。それでも僕は、もし季節に絡めてこの国の月を愛でるとすれば、「中秋の月」よりも「真冬の月」の方を選びたい。漆黒の闇の地平線スレスレに大きな月の浮かぶのを見る時、よくも落ちて来ないものだなと心配するくらゐ大きな月を見たこともある。ともあれ、今宵の月は見ることができなかった。今日の写真は昨日のうちに撮ってをいたもので、十五夜未満の月である。