灯籠流し

火 旧暦 7月14日 友引 庚午 六白金星 Brynolf V33 24650 日目

僕が小学生の頃はお盆の終はる時には灯籠流しがあった。小さな舟にろうそくを灯して載せ、それを川に浮かべて流れ去るのを見送った。お盆にこの世に訪れた先祖の霊がまた還って行くのに灯りを必要とするだろうと考へられた。京都の五山の送り火も同じ様な考へだと思ふ。当時の夜は真っ暗で恐ろしい場所であった。僕は成人して働き出した後に母方の祖母が亡くなるまで肉親の死に接することがなかった。子供の頃に毎年灯籠流しで見送るご先祖は見知らぬ人々であった。そのこともあってか灯籠流しはどこか夏のお祭りの様な感じがした。それでもそんな行事を通じてあの世とこの世の接点について思ひをはせることは確かにあったと思ふ。どんなに文明が発達しても、生きることの意味と死ぬことの意味について考へることは誰にもついて回るものと思ふ。そんなことを思ひ起こさせるお盆といふ時期はやはり日本の文化の一部であると思ふ。