もみじの若葉

土 旧暦 4月22日 先勝 庚戌 五黄土星 Ingeborg Borghild V21 24570 日目

花は花 樹木は樹木 鳥は鳥 さかなはさかな 犬は犬なり

いづれも動植物をそれ以上に細分化する観察知識を持たぬ僕を自分で揶揄ふ歌である。であるから、おそらく紅葉にも色々な種類があるだろうとは想像できるが、自分の家の狭い庭にある紅葉が何といふ種類のものかとんと分からない。庭には紅葉と銀杏があって、いづれも同居人が何年も前に植えたものがいつの間にか大きくなったのである。どちらも日本の樹木であることがなんか嬉しい。銀杏の方は、1997年頃に、名古屋大学の寺島典二先生と奥様がスウェーデンに研究で滞在なさったことがあり、偶然お会ひした時に頂いた短い枝を地面に突き刺しておいただけで、いつの間にか大きくなったものである。その後、先生ご夫妻とはご無沙汰してしまって、今はどの様になさってゐるか分からないが、銀杏が芽をふく度に思ひ出す。今年、紅葉の方は最初一面に赤い葉がしょぼしょぼとなり、なんだか秋みたいな感じがしてゐたのであるが、それがこの一週間ほどの間に鮮やかな新緑に変はった。毎年、その様な変化があるのかもしれないが、僕は今年、そのことに初めて気づいてちょっと驚いた。スウェーデンの夏は短い。紅葉も銀杏もそのことを僕以上によく知ってゐるのだと思ふ。