安全第一

土 旧暦 1月13日 先勝 壬申 六白金星 Vivianne V7 24472 日目

日本で工場などに行くと「安全第一」と大書された看板を見ることが多い。あれはある意味では矛盾した標語である。もし、本当に「安全第一」に徹するなら、工場を閉鎖してしまへば良いのである。けれどもそれを言へば身も蓋もない。何も生産せずに安全だけを求めたら結局人間は生きていけなくなる。何かを生産しながら、危険なことを排除する。もしくは、危険を排除しながら何かを生産しようとするところに、「安全第一」の意義がある。東日本大震災以来、「最悪の場合」を僕は時々自分に問ふことがある。けれども、「最悪の場合」とは最上級の形容詞の様に響くが実は比較級でしか語ることができない。人間にとって非常に暗いことを予言してみることに一体どれだけの意味があるかなとも思ふ。色々な場合を想定してみることは大事かもしれないが、そんなことで頭を空転させるより、身近なところでより良い社会を目指すにはどうしたら良いかを考へる方が大事な気もする。